三河光明会

今を去る事8年前、大正11年5月、尾張教区主催の講習会が5日間、名古屋市白川町 光明寺にて開催せられ、講師 藤本浄本上人の、信仰実感と浄土教義に関する講演は明了にして、吾等の信根を培養するものなりと自覚を得、三河の僧侶方にも聞き頂きたいと、即時に川口善戒・稲生聖導両兄と相談し、年内には来て頂くように藤本上人に御願いし、同年9月、5日間にわたり、灯会主催にて僧侶を中心に、講習会が当願行寺にて開かれました。毎日120~130人 (僧侶:信徒は7:3の比) と盛会でありました。以来 藤本浄本上人は春期に、熊野宗純上人を秋季に毎年2回ずつ来ていただきました(五重相伝2回、授戒会1回、三昧会10回)。初めの3年は体内生活にて名称もなく、春秋に2期二招待するのみなりしが、大正14年春より会員の御同情により光明会三河支部なる名称にて出産した5年の赤子であります。何等の力も働きもない赤子なるも、今後なお5年の御同情に依り小学の教育を与えれば独立の生活を得て、他の光明会とも交際する事を得るかと、去る10月及び12月両回、有志相会して三河光明会と改称し、此の5年間には願行寺を事務所として、多数会員の加入と寺院諸師の御同情を得て、弥陀の霊光を皆さまの心因に輝かさんことを念願する者であります。

昭和4年1月 願行寺 角岡界倫 

光明会 会報  昭和4年1月発行  三河光明会

昭和4年に改めて設置された三河光明会でありましたが、聖者の法灯の消えた当山の名は、当然のように会員名簿に記されてはおりません。半田応称院第2世青柳智月法尼の名が会員として登録されています。