空外上人作品集

山本空外上人(1902年9月13日 - 2001年8月7日)

弁栄聖者の孫弟子  生前の聖者にお会いすることは出来なかったのですが、直弟子の藤本浄本師の導きにより念仏三昧発得し、その後西洋哲学を究めるも、広島で原爆に出会い、浄土宗僧侶として出家されます。

出会う如何なる事をも合掌し拝んで、自分なりに生かし切っていく「無二的人間」の生き方を提唱されましたが、この「無二的人間」は「包生的主体性」として、「どんな存在をもすべて包んで生かしていく生き方」であり、人類にとって最重要にして最急務なる、21世紀の人類の在り方です。

京都法蓮寺・出雲隆法寺住職 光明会上首 広島大学西洋哲学名誉教授 茶人 書家でもありました。

平成30年3月東京大学仏教青年会主催の山本空外上人展への寄稿文です。クリックすると詳細が表れます。 

自然は奢らず(色紙・短冊)

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不奢
自然

無二堂 (額)

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無二堂 無二会会長 空外

隨縁 (出西焼  皿)

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随縁成染浄(縁ニ随イテ染浄ヲ成ズ )  昭和戍午(五十三年)春  空外 

唐の法蔵の華厳五教章に曰く 、円成の如しと雖も、復た縁に随いて染浄を成じて、恒に鏡の明浄を失わず、自性は清浄なり。只自性清浄を失わざるに由るが故に、能く縁に随いて染浄を成ず也。

小衲思う、人生の根本義は此の 命題を全うするに在るか。

昭和巳未(五十四年)春二月 題函の故に及ぶ 空外


無量光(十二光) 額

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唐廬同  茶歌(扇面)

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玉川茶歌

日高キコト丈五睡正ニ濃ヤカナリ軍将門ヲ扣キテ周公ヲ驚カス 口ヅカラ伝ウ 諫議ノ書信ヲ送ルト白絹斜メニ封ズ 三道ノ印 緘ヲ開ケバ宛モ諫議ノ面ヲ見ルガゴトシ 手ヅカラ月団三百斤ヲ閲ス 聞クナラ新年山裏ニ入ラバ蟄虫驚動シテ 春風起コル 天子須ラク嘗ムル陽羨ノ茶ヲ百草敢テ先ズ花ヲ開カズ 仁風暗ニ結ブ珠蓓ノ蕾 春ニ先ダチテ黄金ノ芽ヲ抽出ス 鮮ヲ摘ミ芳ヲ焙リテ封裹ヲ旋ラス 精ヲ至シ好ニ至リテモ 且ツ奢ラズ 至尊ノ余リハ王公ニ合ウニ 何事ゾ便チ到ル山人ノ家 柴門反関シテ俗客無シ 紗帽ノ頭ヲ籠メ自ラ煎ジテ喫ス 碧雲風ヲ引キ吹キテ断エズ 白花光ヲ浮カベ椀面ヲ凝ラス 一椀  喉吻ヲ潤オス 二椀 孤悶ヲ破ル 三椀 枯腸ヲ捜ルニ唯有リ文字五千巻四椀 軽汗ヲ発シ平生ノ不平ノ事尽ク毛孔ニ向カッテ散ズ 五椀 肌骨ヲ清クシ 六椀 仙霊ニ通ズ 七椀 喫シ得ザルナリ     昭和甲寅 春 空外七十一才


【意訳】

日も高く昼も近き頃、ぐっすり眠っていたら軍の武将が戸を叩いて、目を醒まされた。諫議(高官)からの手紙を持って来たと言う。白絹に包まれ斜めに封のされた手紙には三つの印が押してある。開けると諫議の懐かしい顔が浮かんできた。贈って下さった団茶三百個を手に取ってみる。手紙によると、新年になると山へ入るのだそうで、虫が穴から出て動き始め春風が吹く頃には、天子様は陽羨の名茶をお飲みになるそうで、あらゆる草木がまだ花を咲かせる前に、めぐみの風が美しく蕾を結ばせる。春に先立ちて黄金の芽が伸び出し、新芽を摘み火で焙(あぶ)り直ぐに密封する。精を尽して好みを至しても決して奢らない、これ以上なき尊きお茶は王公に最もふさわしい。それが何故この隠遁者の家に届けられたことであろう。柴の門を固く閉ざして、俗客は締め出した。薄絹で頭を包み、自ら茶を淹れ喫(の)む。碧い雲のような湯気が風をよんで立ち上り、白い花のような泡々が盌の表面に浮かぶ。一盌飲めば喉が潤う、二盌飲めば自我の悶えが消え、三盌飲んで干からびた腸を探れば、中はただ無為自然のみがある。四盌飲めば軽く汗をかき、平生の不平不満が毛孔より散っていく。五盌飲めば肌や骨が清らかになり、六盌飲めば仙霊界に通じていく。七盌はもう有難くて飲む必要がない。 昭和四十九年春 空外七十一歳

一一微塵中悉見仏刹海

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一一微塵中悉見仏刹海 

仏刹海

空外上人箱書

六十巻華厳経巻第五十一に曰く 一一の微塵の中に悉く見る仏刹の海。 愚衲思う、此の地球上に大自然の最高の生物進化した極致の人間は、釈尊の成道に倣い 、万人平等に開・示・悟・入を全うすべきか。 昭和五十二年師走 題函の故に及ぶ 空外

無自性・己己円成(色紙)

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無自性 空外

己己圓成

南無阿弥陀仏

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空外上人最晩年の名号

「南無阿弥陀仏 空外95」


『御名号』

「仏説観無量寿経に曰く 至心に声を絶えざらしめ十念を具足して南無阿弥陀仏を称えれば 仏名を称える故に 念々の中に於いて八十億劫の罪が除かれる 愚衲思う 名号は全仏教の帰結にして世界唯一最高の生活原理なり 昭和壬子(48年)春 題圅故及 空外」

三昧仏と一枚起請文

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『三昧仏図』

「各人の生き甲斐は 念仏三昧をなして各自の心奥の仏性を開展するに在り 生滅滅尽の処 すなわち我と仏と同じ 昭和丙辰(51年)秋 題圅故及 空外74」


『元祖大師法然上人御遺訓一枚起請文』

「もろこしわが朝にもろもろの智者たちの沙汰し申さるる観念の念にもあらず 又学問をして念の心を悟りて申す念仏にもあらず 唯往生極楽の為には なむあみだ仏と申して疑いなく 往生するぞと思いとりて申す外には別の子細候わず 但し三心四修と申すことの候は皆決定して南無阿弥陀仏にて往生するぞと思ううちにこもり候也 此外に奥深きことを存ぜば二尊の憐みにはづれ本願にもれ候べし 念仏を信ぜむ人はたとい一代の方を能々学すとも 一文不知の愚鈍の身になして 尼入道の無智の輩に同して 智者の振舞をせずして 只一向に念仏すべし 昭和乙卯(50年)春 空外敬書」

『元祖大師御遺訓』

「法然上人御遺訓一枚起請文は念仏仏教の原点也 インド中国等 全仏教は法然上人の称名一行に帰結するか 今後人類は此の称名念仏に依りて 平等に人生の帰趣を達成するか 空外」

堂聯一対

「心数心王過刹塵 各具五智無際智」

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令和2年聖者百周忌の年に荘厳

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弘法大師『即身成仏義』に曰く「心数心王刹塵に過ぎたり 各五智無際智を具す」

昭和庚戌(45年)夏㋅ 空外敬書

今現在説法(色紙)

空外書



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