の御本懐に出でし 至極すぐれて いとかしこきお経なりと信ずべし。 【現在説法】 ●「祇樹給孤独園」 この経をお説きあらせられたる場所にして、中印度波斯匿王という国王の大臣に須達長者という人、深く釈迦如来に帰依し奉り 祇陀太子という方の御園をかまえてを購いて建てたる寺にて 名高き祇園精舎というもの是なり。祇樹とは彼の祇陀太子が樹木を寄進したる故に此の名あり。給孤独とは須達長者が常に老いたるを扶け 貧しきものを恵み 孤独を賑い給わせられし徳をほめて 斯くは人の呼びたる名なり。 【羅網行樹】【七重欄楯】 ●「比丘」 天竺の語にして多くの義あれども 尊き僧をほめたるなと知るべし。 ●「釈提桓因」 釈迦因陀羅と云いて、即ち帝釈天なり。 ●「これより西方」 これまでの文は経の序文とて弟子達のはし書きなり。以下の文は皆ことごとく釈迦如来の御説法にて かしこくも大悲の御心に出て 金口の演べ給う御言なりとしるべし。 ●「十万億土仏」 一仏の御化益ある境界を大千世界と云い、それを